WORKS 施工事例
             
Case No.9:20代夫婦の建てた吹抜けのある家
1F床面積
52.99㎡
2F床面積
34.78㎡
延床面積
87.77㎡
敷地面積
158.85㎡
建物仕様
外張り断熱、制震ダンパー
Photography
Construction point
吹き抜けから降り注ぐ柔らかな朝日と、大きな窓から入り込む心地よい風を感じながら、家族で囲む食卓。
そんな住まいで暮らすのは、20代のご夫婦とまだ小さなお子様です。
27坪のコンパクトなお家には、若いご夫婦が毎日を楽しく豊かに暮らすための工夫がたくさん詰め込まれています。

◆抜け感のある大空間
こちらのお家の特徴は、何といっても抜け感のある大空間。
LDKには吹き抜けを介して、大開口からの光が明るく降り注ぎます。
「吹き抜け=贅沢」というイメージを持たれがちですが、十分な広さが確保できない空間においては、縦の空間をつくることで拡がりが生まれ、実際の面積よりもずっと広く感じる空間を作ることができます。
また、天井を敢えて作らず、構造材を見せる内装に。
こちらも空間の高さを稼ぐ他、天井を作らないことでコストをコントロールする意図があります。
見出しの構造材が空間のアクセントとしても映え、ご家族の成長と共に木の経年美化も楽しめるお家です。
限られたスペースを有効に使うため、廊下を無くし部屋の間仕切りも必要最低限に抑えました。
1階と2階を合わせて、室内の扉の枚数はなんとたったの4枚。間仕切りがなくなることで空間の『抜け』ができ、狭さを感じない空間となりました。
約27坪のコンパクトな住まいですが、それを感じさせない広々とした空間が中には広がっています。

こういった提案ができるのは、高気密高断熱な住まいだからこそ。
夏の日射遮蔽、冬の日射取得についてもしっかりと考え、庇と袖壁を計画しています。
温熱環境をしっかりと考えた住まいであれば、大空間でも暑さ・寒さに悩むことがありません。

◆LDKに直接接する玄関
コンパクトな住まいであっても、玄関は広々とゆったりとした空間に。
廊下を無くし、広い土間スペースが直接LDKに接することで、空間全体の広さに寄与します。
土間スペースのあるリビングは多目的に活用できるほか、非日常感を楽しむことができ、生活とインテリアの幅が広がります。
自分たちだけの個性的なリビング空間を作れるのも魅力です。

◆子育て世帯に嬉しい回遊動線
キッチンの背面にはパントリーと洗面脱衣室、浴室を配置。
キッチンの左右どちらからもアクセスできる回遊動線を採用しました。家事動線がコンパクトに納まっているだけでなく、「ながら作業」がしやすいのも、仕事、家事、子育て……と毎日がご多忙なご家族に嬉しいポイントです。
広めの洗面脱衣室はランドリースペースを兼ね、天候や時間帯を気にせず洗濯ができます。

また、キッチンはII型キッチンを採用しています。II型キッチンとは、ローマ字の「II」を書くように独立したシンクと、その背面にコンロをレイアウトしたキッチンです。
おしゃれで開放的なアイランドキッチンに憧れる、という方は多いですが、実際のところ、アイランドキッチンは高価なだけでなく、設置のために広いスペースが必要となります。
II型キッチンはアイランドキッチン同様に開放的な空間を作ることができますが、省スペースで設置ができるため、十分にスペースが確保できない空間にも適しています。
振り返る動作のみでシンクとコンロの両方に手が届き、少ない動きの中で家事を効率よく進められるのも、嬉しいポイントですね。

◆ユーザーによる住まいの変化に対応
家族構成の変化や子どもの成長によって、お家での暮らし方も変わっていきます。
特に子育て期間中にお家を建てられる方は、お家を建てた当初の生活と、その数年後の生活が大きく変わっていることも。
こちらのお住まいでは、そういった変化に対応するための「余白」を設けています。
完全な個室は設けず、住み手次第の暮らし方が出来る柔軟な空間や、多目的に使えるスペース。
施主様のご趣味がDIYということもあり、住みながら完成させていく、住みながら生活に合わせて変化させていくことが出来る、余白を残したご提案をさせていただきました。
コストのコントロールに繋がるだけでなく、住みながら自分たちの手を加えていくことで、思い出と愛着の詰まった住まいへと成長していきます。

◆性能、デザイン、コストのバランスをコントロール
こちらのお住まいでは、弊社の標準仕様である外張り断熱、樹脂サッシ、第3種換気システムを採用。構造についても、許容応力度計算を行うことによって十分な耐震性を確保した上で、制震ダンパーを採用しています。コンパクトながらも、温熱環境、構造ともに非常に高性能な住まいとなっています。
高性能な住宅を建てるということは、その分コストがかかるということ。実際のところ、予算が少ないから、性能を下げてでも安く建てたい……というご要望をいただくことも多くあります。
しかし、家は家族の暮らしを守るもの。性能の良い家で暮らすことは、ご家族の健康と命を守るだけでなく、ランニングコストの削減にも繋がり、長い目で見れば節約へと繋がります。

こちらのお施主様には弊社の家づくりに対する考え方にご賛同いただき、性能、デザイン、コストのバランスコントロールをお任せいただきました。
性能は大切ですが、数値が良いだけでは『住まいごこちの良い家』とは言えません。使い勝手、デザイン、暮らしの中の快適さ、コスト……様々な要素をバランスよく、トータルでコーディネートさせていただいたお住まいです。